文章の評価

単に校正や添削だけでなく、「その文章の問題はどこにあるか」、「どのような理由で修正したか」などを示し、助言もいたします。

以下の例は、某コンピュータ企業M社から文章添削の依頼を受けた際に、元の文章の評価、添削の根拠などを解説した一文です。ごく一部をご紹介します。

極めて専門的なマニュアルの文章で、原著者が自分の文章に対する評価を聞きたいと要望されたものです。

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■全体印象
 まず第一印象としては、文体的な意味でやや硬さ、重さ、あるいは粘着性といったものが感じられたということを申し上げておきます。
 文体は著者の個性や趣味とも言えるので、必ずしも悪いというわけではありません。ただマニュアルという性格を考えると、重々しい文体より、むしろ意味が伝わることを主眼に、軽くさらりと流してはどうかと考えました。例えば「今日においては」、「○○にて解説した」などは、あっさりと「今日では」「○○で解説した」と言えば事足りるでしょう。


■表現のバラエティ
 冗長さ、単調さは、表現パターンのバラエティに関係します。
 同一語句、同一表現が近接箇所で繰り返し登場すると、どうしても単調になり、読者は内容の意味を咀嚼する以前にまず字づらに引っかかってしまうことになります。
 具体的な一例を挙げれば、順接の接続詞の大半が「よって」一種類に代表されてしまっているのは、単調さを産む原因の一つと言えるでしょう。同等の表現、例えば「したがって」「それゆえ」「そのために」「だから」等々を適宜使用すれば、文体の窮屈さは緩和されるはずです。

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